オンライン学習サービスやプログラミングスクールによって、プログラミングを学習しエンジニアとして働く人が増えてきています。ですが、プログラミング学習で途中で挫折してしまう人も少なくありません。
そこで思ったのが、いまエンジニアとして活動している方が、どのようにプログラミングを学習してエンジニアになったのかを知れたら、これからプログラミングを学習する人向けのロードマップになるはず!そこで本連載では、いまエンジニアとして活動されている方々に、プログラミングの学習方法などをインタビューしていきます。
今回は、学生エンジニア兼講師で、週3労働で固定費を稼ぎつつwebサービスを開発しているリクさんに、「エンジニアになった理由」や「どのようにしてプログラミングを学習したのか」をお伺いしました。
リクさん
学生エンジニア兼講師。”時間や場所、お金”に縛られない生き方を目指しプログラミングを独学。現在は週3労働で固定費を稼ぎつつwebサービスを開発。
Twitter:@rikuhirose
Blog:rikulog
YouTube:りく【大学生フリーランスエンジニア】
大学3年生の頃に湧いた、海外への興味
──今どんな活動をされているのか教えていただけますか?
去年エンジニアになろうとして、大学を休学し、エンジニア事務所「GAOGAO」でプログラミングを学びました。今はフリーランスで案件を受けて固定費を稼ぎつつ、YouTubeやブログなどで情報発信をしています。
──リクさんがエンジニアになろうと思ったのは、どんな経緯だったんですか?
最初のきっかけは、大学3年生の頃に海外に興味が湧いて、それはいわゆる日本の働く環境があまり良くないという話を聞いて、海外に行きたいと思うようになりました。
でも海外で働くといっても、少し英語が話せますぐらいのレベルではどこも雇ってくれないと思いますし、結局日系の会社に就職みたいな形になってしまうと思いました。
じゃあどうしたらいいのかな?と考えた時に、専門的なスキルは必要だと考え、そこから方法としてプログラミングが挙がってきて、とりあえず経験はなかったけれども勉強をしてみようと思い始めました。
最初に始めたのはProgateのHTML/CSSからです。
──プログラミングはどのような流れで学習をされたんですか?
まず最初はProgateをやり、簡単なLPのようなものが作れるようになった段階で、スタートアップ企業でエンジニアインターンを始めました。
そのインターンでは、PHPをゴリゴリ書くみたいな感じでした。ですが、技術的に一番成長したと感じるのは、自分で何かサービスを作ったときだと思います。
──なるほど。ではProgateでいくつかのコースををやった後、すぐにインターンを始められたのですね。
2~3ヶ月ぐらい独学で学習をして、インターンに入りました。正直レベル的にはかなり低かったと思うのですが、ありがたいことに受け入れていただきました。
圧倒的な行動力で、GAOGAOへジョイン
──そのインターンでは、どれくらいの期間勤務されていたんですか?
そのインターンは7ヶ月間ぐらいです。そのインターンが終了した後に、GAOGAOにジョインしました。
GAOGAOのジョインにあたっては、GAOGAO GATEの第1期生の募集ページをたまたま発見し参加を検討したのですが、応募期限が3月31日まででした。でもそれを見つけたのが4月とかだったんです。
GAOGAO GATEとは
「リアルな開発案件をフルスタックに初めから終わりまで個人で遂行できるスキルを養う」というコンセプトのもと、ベトナム・ホーチミンのシェアハウスでメンターと共同生活をしながら刺激的なスキルアップの体験をすることができるプログラムです。
詳しくはこちら:あの海外修行が復活?! GAOGAO GATE第3期始動。時代ノ猛者求ム!
無理なのは分かっていましたが、入れてくれませんか?とメールを送ったら、案の定駄目ですという返信が返ってきました。
その後に、「GAOGAO GATEに参加できないのは分かりました。じゃあ僕が勝手にタイ・バンコク(GAOGAOのバンコク拠点)に行って、宿は自分で取ります。それなら問題ないですよね?」とメールを返信したら、「じゃあ来ても構いません。」と返信が帰ってきて、GAOGAO GATEに参加できることになりました。
──行動力がものすごいです。
そもそも、プログラミングスキルを身につけたいという気持ちで休学をしたのですが、休学してどこに行くかなど何も決まらずにいたので、探さなくちゃやばいみたいな焦りがあり、必死にGAOGAOにメールを打ちました(笑)
──GAOGAOにジョインしてからは、個人でサービスを作り始めたんですか?
その前から自分で考えて作っていたサービスはあったのですが、さらにGAOGAOにジョインしてからも自分で作り始めました。
これは「pkLinks」というサービスで、パルクールスポットを簡単に共有できるSNSです。
僕はパルクールというマイナーなスポーツが趣味なのですが、割とクローズドなカルチャーなので、良いスポット情報がなかなか見つかりませんでした。そこでユーザーが、正確な場所を写真・動画に紐づければ解決できると考えて、作ることにしました。
できる人が書くコードを見ることで、かなり成長できた
──これはプログラミングを始めて何ヶ月ぐらいで作られたんですか?
1年経たないくらいだったと思います。これを作り始めたのが6月で、完成したのが8月だったので2ヶ月ぐらいで開発しました。
今見ると結構コードは汚いと感じるんですけれども、自分の頭で考えたものを形にしたという点で成長したと思います。
もう一つ自分が作ったサービスがあって、僕が所属する大学のシラバス情報サービス「Eco Hack」を作りました。
このサービスを作る前に、GAOGAO代表の手島と一緒に別のサービスを作る経験をして、そのサービスで手島が書いていたコードを見て、いわゆる出来る人のコードを見て、それを真似てこのサービスを作りました。
できる人が書くコードを見ることで、かなり成長できたと感じます。
──何か教材を使って学習もしていたんですか?
教材も使っていました。Progateと、書籍では「気づけばプロ並みPHP 改訂版–ゼロから作れる人になる!」と「PHPフレームワーク Laravel入門」をやって基礎を押さえました。なので、基礎を押さえてから自分でサービスを作ることをお勧めします。
──その2つの書籍はいつ頃やられていたんですか?
「気づけばプロ並みPHP 改訂版–ゼロから作れる人になる!」はインターンに入って2ヶ月目ぐらいにやりました。Progateで少し勉強しただけでインターンに入ったので何もわからず、圧倒的に基礎力がなかったのでつらいとなり、その本をやりました。
その後でLaravelをやろうとなり、Laravelの基礎を身につける為に「PHPフレームワーク Laravel入門」をやりました。それはGAOGAOに入る直前とかにやっていました。
自分のサービスを作ったことがターニングポイントに
──プログラミング学習中に大切にしていた事はありますか?
プログラミング学習している方で、ノートを取っている人がいるのですが、ああいうことはしていなかったです。というのも、全部一発目で完全に理解することはできないので、とりあえず全体像を理解することを意識していました。
学習しているうちにレベルが上がって、また戻ってきたら昔分からなかったところも分かるようになるからです。
──リクさんはプログラミング歴はどのくらいですか?
プログラミング歴は1年半ぐらいですね。
──プログラミングを始めて1年半で自分でサービスを2個作って、フリーランスで案件をもらっているのはかなりスピード感があると思います。なぜそのように爆速で成長できたと思いますか?
そうですね、インターンをしていた時もスキルは伸びていたんですけれども、やっぱりその伸びは遅かったと思っています。僕は自分でサービスを作ったことがターニングポイントでした。自分の頭で考えて、サービスを何か作ることが一番大切な気がします。それがこれまでの成長曲線のMaxでした。
──リクさんの今後の展望について教えてください。
もちろんエンジニアとしてのスキルは、もっと伸ばしていきたいという気持ちはあるんですけれども、個人として強くなっていきたいと思っています。個人としての価値を上げていきたくて、エンジニアだけでなく他の収益柱を作っていきたいと思っています。
──最後に、プログラミングを現在学習中の人に向けて、何かメッセージやアドバイスがあればお願いします。
今プログラミングを学習している人が、おそらく知りたいと思っているのは、どうしたら爆速で成長できるかだと思います。
どうすれば爆速で成長できるかというと、まずは基礎力をつけましょう。
基礎をどう身につけるかというと、まず1つ目のステップは、最初にとりあえずProgateをやってみて、それを全部理解しようとせずに、全体像をつかむことを意識してやってみることです。
Progateを100周やりましたみたいな人がたまにいるんですけれども、そういうのは意味がないのでせいぜい2~3周すればいいと思っています。
それで次は本を何かやりましょう。その次はYouTubeで英語で何か検索してプログラミングの良いコースがめちゃくちゃあります。
そして、2つ目のステップは、そこまでに基礎がついていると思うので自分で何でもいいのでサービスを作りましょう。その時にこれまで学習したチュートリアルのアプリをちょっといじってみるとかではなく、全て自分でゼロから考えてやりましょう。
最後に3つ目のステップとしてはちゃんと実務に触れましょう。実務に触れるために、2つ目のステップで作ったポートフォリオを元にエンジニアのインターンに行きましょう。これがスキルを一番早く伸ばせる具体的な方法だと思います。
僕はスキルがないのにインターンに入れてしまい業務がつらかったので、基礎力をつけた上でインターンに行った方が、会社のためにも自分のためにもなると思います。