「知識への投資は絶対に惜しまない」銀行員から転身したエンジニアが語る、プログラミング学習の秘訣とは

「知識への投資は絶対に惜しまない」銀行員から転身したエンジニアが語る、プログラミング学習の秘訣とは

オンライン学習サービスやプログラミングスクールによって、プログラミングを学習しエンジニアとして働く人が増えてきています。ですが、プログラミング学習で途中で挫折してしまう人も少なくありません。

そこで思ったのが、いまエンジニアとして活動している方が、どのようにプログラミングを学習してエンジニアになったのかを知れたら、これからプログラミングを学習する人向けのロードマップになるはず!そこで本連載では、いまエンジニアとして活動されている方々に、プログラミングの学習方法などをインタビューしていきます。

今回は、元銀行員というキャリアから、スタートアップのプロダクトマネージャーに転身されたAgoさんに、「エンジニアになった理由」「どのようにしてプログラミングを学習したのか」をお伺いしました。

AGOさん
Webエンジニア。2018年に銀行を退職後、1年の修行期間を経てWEBエンジニアに転向現在は動画マーケティングベンチャーにて自社開発サービスのプロダクトマネージャーを担当。

Twitter:@ago_consultant

高校の同級生が代表を務めるスタートアップにジョイン

──今どんな活動をされているのか教えていただけますか?

4月からスタートアップ企業にエンジニアとして入りました。そのスタートアップは、自社開発系のスタートアップですが、これまでは動画の受託制作事業をメインに行っていたので、エンジニアは現在僕1人です。

これから自社のサービスを作っていきたいという段階で、僕に入ってほしいとお声がけをいただき入ることになりました。

先日、僕が入社してからサーバーサイドエンジニアとして開発に取り組んできた、完全招待制ポートフォリオSNS「VENNS(https://venns.jp/)」のβ版をリリースしました。VENNSは、ユーザーの自由な自己表現を可能にする他、完全招待制・審査制のサービスのため、ハイエンドな人材と繋がることができ、異業種のユーザーとの交流からビジネスに繋げる事ができるプラットフォームサービスです。

7月には「企業のコンテンツ制作〜コンテンツ運用をワンストップで支援する動画PRサービス」をリリース予定です。

完全招待制ポートフォリオSNS「VENNS」

今後はどんどん新しいアプリを作っていき、エンジニアの採用も増やしていく予定です。

──そのスタートアップには、どのような経緯で入社することになったんですか?

実は、そのスタートアップの社長が僕の高校の同級生です。なので、その繋がりです。

──おお、高校の同級生と会社をやれるというのは、すごくロマンがありますね。

そうですね、面白いなと思っています。ちょうど僕が友人とのプロジェクトで、ドローンパイロットと空撮を依頼したいユーザーをマッチングするアプリを今作っているという話をしたところ、その社長も同じような方向性でサービスを作りたいと考えていて、一緒にやることになりました。

──しかもエンジニアが一人という状況、すごいですね。

めちゃくちゃ過酷な状況だと思います、自分がやるしかないという感じです。

──Agoさんはプログラミング歴はどのくらいなんですか?

ちょうど1年ぐらいだと思います。

新卒で入社した銀行を退職し、エンジニアの道へ

──1年でサービスを作れるまでになるのはすごいですね。そもそも、エンジニアになったのはどのような経緯だったのでしょうか?

僕は新卒で地方の銀行に入社したんですけれども、銀行入社前の就職活動の段階から、将来的には起業して事業をやっていきたいと思っていました。その過程として、まずは金融系かIT系に入って、専門的な知識を身につけたいと思っていたんです。

そこで、銀行の方が一般的なビジネスの知識といいますか、法務とか財務の知識とかが身につくかなと思い、最初は銀行に入社しました。

でも実際は思っていたものとは違くて、ほぼルーティンワークだったんです。辞めた1番の理由は単純に面白くないからで、自分のやりたいことから遠ざかっている気がして1年で辞めました。

銀行を退職したタイミングで、もともと興味のあったプログラミングを少しかじってみようという気持ちで始めてみたら、すごく面白くて、のめり込んでいきました。

正直、銀行の財務や法務の勉強は死ぬほどつまらなかったのですが、プログラミングは眠気を忘れるほど熱中できたので、自分に向いていたのかもしれません。

──なるほど、プログラミングはどのように学習されたんですか?

ほぼ独学です。ProgateでHTML/CSSから学習を始めていきました。最初はコーディングをやっていて、クラウドワークスで少しずつ案件をもらいながらスキルを身につけて行きました。

もともと自分のサービス・プロダクトが作りたくてプログラミングを始めたので、HTML/CSSの基礎が身についた段階でRubyの勉強を始めました。

──Rubyの勉強はどのようにされたんですか?

最初にRailsチュートリアルをはじめました。

──いきなりRailsチュートリアルから始められたのですか?

はい、最初から何かアプリを作りたいと思っていたので、Railsチュートリアルから入りました。でもRubyの基礎が不足していることに途中で気づいたので、そこでRubyの本で基礎をしっかりと学習し直しました。

なので流れで言うと、ProgateでHTML/CSS、Railsチュートリアル1周、アプリ開発、Rubyの本、オリジナルアプリ開発といった感じです。

──本当に独学ですね。

はい、僕は人に教えてもらうのが苦手なんです。自分で調べるのが一番身につくし、それに今の時代は本当に情報が一通り揃っています。

──本当に分からなくて誰かに質問する、みたいなことはなかったんですか?

メンターの方にコードレビューをしてもらったり、勉強会などで出会ったエンジニアの方に質問したりということはありました。初学者にも優しく教えていただいて先輩のエンジニアの方々にはすごく感謝しています。

──Railsチュートリアルは難しくありませんでしたか?

難しかったですね、あれは初心者向きではないと思います。

大切にしていたことは、とにかく「自走力」

──Agoさんはプログラミングを学習していて、何か大切にしていたことはありますか?

分からない時に、すぐに人に聞くのは良くないと思っていました。

僕はプログラミング学習中に、フィリピンのセブ島にあるWORK ROOMというコミュニティに入居していました。そこのコミュニティでは、分からない問題があれば、エンジニアのメンターにいつでも質問することができたんです。

でも僕は丸1日考えて、それでもわからなかったら質問しようと決めていました。それは一見すると遠回りになるかもしれないですが、遠回りをしている途中で身につくものがあると思っているので、意識していました。

実際に実務に入ったら、人に聞けない環境の方が多いと思うので、聞いて解決するよりも自分で解決していかなければならないと思っていたんです。

──今後のAgoさんの展望などを教えてください。

将来的には、自分で起業したいと思っています。

CEOもできるしCTOもできるみたいな役割で、自分でプロダクトも作れて経営もしていけるみたいなのが、理想かなと思っています。

今の会社に入って感じていることなんですが、スタートアップの現場では、経営者のビジョンを汲み取って、技術に昇華することができるエンジニアが求められているように思います。

要件通りにアプリケーションを作るだけでは不十分で、会社の成長のために積極的に機能の改善やコスト削減の提案をしていかなければならないと思っています。

そのためには当然技術だけでなく、経営面や財務面の知識も必要で常に勉強といった感じです。そういう意味では、銀行時代の経験も無駄では無かったのかなと思っています。

技術者視点と経営視点を兼ね備えたエンジニアになるのが今後の目標ですね。

知識への投資は絶対に惜しまないほうがいい

──最後に、エンジニアを目指して今プログラミングを学習されている方々に、メッセージやアドバイスがあればお願いします。

お金を惜しまないことです。どうしても本とか買う時にケチってしまう時があると思うんですよ。

──たしかに、技術書高いですしね。

そうなんです。なので、借りようとかちょっと立ち読みしようとか思いがちなんです。でも絶対自分で買って持っておいた方がいい。

そのお金は絶対に将来的に帰ってくるお金だと思うので、自分の知識への投資は絶対に惜しまないほうがいいと思っています。

 

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